2013年4月10日水曜日

ネットとアニメのコミュニティ論時かけの細田監督がネットとアニメのコミュニティ論を語る

ネットとアニメのコミュニティ論時かけの細田監督がネットとアニメのコミュニティ論を語る

アニメ映画監督の細田守氏を招いたトークイベント「サマーウォーズに見る、ネットとアニメのコミュニティ論」がApple Store銀座で2日に開催された。イベントは約2時間で、観覧無料。会場は84席あったが、ほぼ満席だった上、立ち見も出ていた。司会進行は、博報堂のクリエイティブディレクター須田和博氏。ゲストとして、細田氏のほか、日本技芸のリサーチャー濱野智史氏、博報堂のクリエイティブディレクター兼アートディレクター鈴木克彦氏が登壇した「サマーウォーズ」は、1日公開のアニメ映画。インターネット上の仮想空間「OZ」を発端とする世界の危機に、「日本の大家族」が立ち向かうというストーリー。「OZ」については、「サマーウォーズ」公式サイトにある本編オープニング映像(5分)で確認できる「OZ」のデザインについて細田氏は、「球体空間は、前作『時をかける少女』や、ルイ・ヴィトンのイメージ映像『SUPERFLAT MONOGRAM』でも出している」と説明。ネットを白い球体空間として描いたのは、「劇場版デジモン・アドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」が最初になるという「映画などで描かれるネットのイメージは、黒い空間に緑の線が走っていたりすることが多い。子供が見る映画で、ネットをそういったおどろおどろしい空間にはしたくなかった。『OZ』の場合、10億人がアカウントを持っている設定。サイバーな雰囲気では10億人もユーザーが集まらない。子供やお年寄りも入って来やすいデザインにした」須田氏に、「アニメとネットのコミュニティが似ているのではないか」と聞かれた濱野氏は、「どちらも現実から離れているから似てくる。アニメオタクとネットオタクのことで言えば、現実から離れるためにネットやアニメに行くところが似ている」としたまた、アニメのコミュニティについて細田氏は、「ドイツのアニメコンベンションに参加させていただいたとき、『ここに集まっている人たちは、本当にアニメが好きなのか?』と思った。アニメはコミュニケーションのネタの1つであり、別の場所では別のネタでコミュニケーションしているのではないかと感じた」という濱野氏は、「アニメをコミュニケーションの1つにする人は、日本の10代に多い」と指摘。ただし、アニメオタクではないという。「今の10代は、テレビを見ないで『YouTube』や『ニコニコ動画』を見ている。そこでは、アニメのMADなどが多いことから、それを軸にしたコミュニケーションを行うようになった」と説明したオンラインのコミュニティについては、「日本では2ちゃんねるが大きなコミュニティの1つ。昔は“朝日・岩波的”や“嫌韓厨”など、歴史的背景もあり面と向かっては言えないような話題についてネット上で揶揄する人たちが目立っていた」と説明。しかし、最近は変わってきたという。ニコニコ動画の場合、投稿された動画への「ツッコミ」からコミュニティが発生しているとしたこのほか、キャラクターデザインについ細田氏は、「外見よりも、形にならない部分(性格など)に時間をかけている。あとは、貞本さん(キャラクターデザイン担当)が、人物像を踏まえた上で形にしてくれる」とした。アバターについては、「その人物ならどんなアバターを作るかを考えてデザインした。キャラクターデザインとほぼ同時期に進行していた」と話した広告におけるキャラクターデザインについて鈴木氏は、「アニメとは逆で、先に商品がある,ドラゴンクエスト10 RMT。商品と同等の価値を持ったキャラクターを作れば、長続きすると考えている」と話し、自身が手がけた「ハバネロ」や「つよインク」の例を紹介した。また、広告においてもストーリーは重要だと指摘。「ユーザーの記憶に残るためには、ユーザーに関係のある(共感を得る)方がいい。その上で、広告にもストーリーが必要になる」とした「サマーウォーズ」で語られている家族とネットのコミュニケーションについて細田氏は、「ネットが仮初めで家族が本物のコミュニケーションだと語られがち。一方で、ネットのコミュニケーションの方が便利という意見もある。『サマーウォーズ』では、どちらが良い、悪いとは言わないようにした,ドラゴンクエスト10 RMT。実際はネットとリアルはどちらも大事であることを描きたかった」と述べた。また、「価値観が多様化していく中、ベースにあるものを大事にしたい。普遍にあるストーリーを探すことが重要になる時代」だと語った。
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